夏みかん[自分の人生]

世の中のニュースには非常に疎い。

サントリーの「なっちゃん」という商品があるのだが、今日の今日まで、夏みかんのジュースだと思っていた。

煙草は、ショートピース、ビールはキリンラガーのみ。
ジャイアンツのドラフト問題で納得がいかず、15年間、報知新聞・読売新聞・日本テレビは見ないし、触らない。

家内もあきれ返る性格だという。

昔の夏みかんは、とにかく酸っぱいものであった。最近は昔ほどは酸っぱくは無いようなのだが、品種が違うのだろうか?
本来、ブンタン系の雑種が起源だというのだが、明確な文献は見つからなかった。
しかし、原木とされるものは存在をするという。
18世紀初頭に山口県長門市仙崎に漂着をしたものから種を採り植えたとする説があり、夏蜜柑原樹の案内があるという。

http://cult.jp/senba/htm21/hb2014.html

もっとも今の夏みかんと夏蜜柑の原木の夏みかんとは別のものだともされ、今の夏みかん(甘夏)とされるものは、川野氏(大分県津久見市)が、1950年に登録をしたものだとされることから旧来のナツミカンとは明らかに違うということだろう。
一度また、昔の酸っぱい夏みかんを食べてみたいものだ。


佐藤春夫の「望郷五月歌」の中に、この夏みかんが出てくる。

       
      塵まみれなる街路樹に
      哀れなる五月来にけり
      石だたみ都大路をを歩みつつ
      恋しきや何ぞわが古郷
      あさもよし紀の国の
      牟婁の海山
      夏みかんたわわに実り
      橘の花さくなべに
      とよもして啼くほととぎす
      心してな散らしそかのよき花を
      朝霧か若かりし日の
      わが夢ぞ
      そこに狭霧らふ
      朝雲か望郷の
      わが心こそ
      そこにいさよふ
      空青し山青し海青し
      日はかがやかに
      南国の五月晴こそゆたかなれ
      心も軽くうれしきに
      海の原見迥かさんと
      のぼり行く山辺の道は
      杉檜楠の芽吹きの
      花よりもいみじく匂ひ
      かぐはしき木の香薫じて
      のぼり行く路いくまがり
      しづかにも登る煙の
      見まがふや香炉の煙
      山樵が吸ひのこしたる
      鄙ぶりの山の煙草の
      椿の葉焦げて落ちたり
      古の帝王たちも通はせし
      尾の上の道は果てを無み
      ただつれづれに
      通ふべきにはあらねば
      目を上げてただに望みて
      いそのかみふるき昔をしのびつつ
      そぞろにも山を下りぬ
      歌まくら塵の世をはなれ小島に
      立ち騒ぐ波もや見むと
      辿り行く荒磯石原
      丹塗舟影濃きあたり
      若者の憩へるあらば
      海の幸鯨捕る船の話も聞くべかり
      且は聞け
      浦の浜木綿幾重なすあたり何処と
      いざさらば
      心ゆく今日のかたみに
      荒海の八重の潮路を運ばれて
      流れよる千種百種
      貝がらの数を集めて歌にそへ
      贈らば都の子等に




ナツミカン(Citrus natsudaidai Hayata)
ナツミカン(Citrus natsudaidai Hayata) posted by (C)ドラ猫


ナツミカン(Citrus natsudaidai Hayata)
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Citrus natsudaidai Hayata ナツミカン 標準
米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2009年6月1日).