オウゴン [季節]

 子供の頃に覚えたことが、たまたま大人になってから過ちに気がつく事がある。このタケニグサもその一つであった。

タケニグサという名前はある程度の年齢に、なり正式な名前として覚えた。
ところが、別名であるチャンバギクというのだが、「ちゃんばら草」だと思い込んでいた。

茎が中空なので、木刀や竹とは違いチャンバラごっこをしても怪我が少ないことからチャンバラグサだと信じきっていたのである。

タケニグサと正式和名を知って、別名でチャンパギクと書かれているのに、チャンバラギクだと思い込んでいたわけである。棒っきれをもって遊んでいた頃であるから恐らく3〜4才の頃に覚えたのであろうか。

正式名のタケニグサを「竹煮草」と竹似草」と書かれたものを見かける。

「竹煮草」は、タケニグサと竹(筍)を一緒に煮る柔らかくなるという説。これは前に「一緒に煮てみても タケノコは柔らかくならない」と聞いた事がある。「竹似草」は、茎が中空で竹に似ているからと言う説である。

自分は、竹に似て中空で軽く、チャンバラに使っていたのであるから「竹似」として用いていたことになる。

後々気がついたのだが、「チャンバ」ではなく、「チャンパ」なのである。PAをBAと聞き間違いのままに覚えていたということである。気がついた時に「チャンパ(占婆)」の意味を調べたの覚えている。


中国・宋代以降に占城と呼ばれていたチャンパであるが、今の地図から言うと、ベトナム南部の地域であろう。茶道で安南焼というものがあり茶人の間で愛玩をされている。
数年間ながら奈良の高山とも取引があったのだが、その時分に安南焼きの産地が東京・安南・占城でることを教えられたのを思い出した。

別名のチャンパギクのチャンパは、先にも書いたようにベトナムのチャンパから移入をされた(のでは)という理由のようですがキク(菊)の花とは似てはいないのだが葉の形が菊の葉を大きくしような感じは確かにする。

チャンパの名前がつけられているのだが、古くから日本にも自生をしていたようで在来種とのこと。

中国では、博落廻と呼ぶようなのだが、これは子供のおもちゃとのこと。中国の知り合いに聞いたのだが説明をされてもイメージが湧かず、googleで画像検索をしたのだがヒットしなかった。





     タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.)
タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.) posted by (C)ドラ猫


タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.)
タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.) posted by (C)ドラ猫


         タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R.Br.)
タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R.Br.) posted by (C)ドラ猫





タケニグサの別名にササヤキグサともある。画像のように結実すると果実の中の種子が、風によって音がします。その音が人がささやいているように聞こえるからという理由からのようだ。


タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.)
タケニグサ(Macleaya cordata (Willd.) R. Br.) posted by (C)ドラ猫





上記のタケニグサの根を日本では、「和のオウゴン」と呼び、オウゴンに混ぜたり代用品にしたとも言われるが漢方には素人の自分にはまったくわからない。しかし本来のオウゴンは、シソ科のコガネバナをさす。このコガネバナは日本には自生をしないことからタケニグサが「ワノオウゴン」と呼ばれる所以でであろうか。

このコガネバナによく似たタツナミソウと花の形はよく似てはいるのであるが、決定的な違いは葉の形であろうか。
根の切断面は、鮮やかな黄色だという。


      コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)
コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi) posted by (C)ドラ猫


コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)
コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi) posted by (C)ドラ猫



コガネバナ(オウゴン)とよく似たタツナミソウであるが、漢名では「向天盞」となり別の漢方として用いられているとか。しかし、中国の漢方に対する探究心は驚くべきものである。

        コバノタツナミ(Scutellaria indica L. var. parvifolia (Makino) Makino)
コバノタツナミ(Scutellaria indica L. var. parvifolia (Makino) Makino) posted by (C)ドラ猫



コガネバナが出たのでもう一種コガネバナを載せておく。サンシュユとした方がわかり易いとは思うのだが、コガネバナもしくはハルコガネバナとも呼ばれている。

今の季節は赤い実をつけている。

サンシュユ(Cornus officinalis Siebold et Zucc.)
サンシュユ(Cornus officinalis Siebold et Zucc.) posted by (C)ドラ猫



         サンシュユ(Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)
サンシュユ(Cornus officinalis Sieb. et Zucc.) posted by (C)ドラ猫



Macleaya cordata (Willd.) R.Br.  タケニグサ 標準 
Macleaya cordata (Willd.) R.Br. f. glabra H.Ohba  ケナシチャンパギク 標準 
Macleaya cordata (Willd.) R.Br. f. koaraii Takeda et Honda  マルバタケニグサ 標準 
Scutellaria baicalensis Georgi  コガネバナ 標準 
Cornus officinalis Siebold et Zucc.  サンシュユ 標準 
Scutellaria indica L.  タツナミソウ 標準 
Scutellaria indica L. f. amagiensis Sugim.  シロバナタツナミソウ 標準 
Scutellaria indica L. var. parvifolia (Makino) Makino  コバノタツナミ 標準 

米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2009年10月30日)