雪月花[季節]
ただただ混迷し厳しい経済状態であれ、春が訪れる事は間違いがない。
今は、必ず訪れる櫻の季節を待つしかない。
櫻に関しての想いでは多い。
京都から北海道まで櫻の追っかけをしたこともあるし、雪月花に出会ったこともあった。
初めて月夜に雪景色の中の櫻に出会った時には、寒さを忘れ一時間以上も立ちつくした。
福井の名田庄村から京都の美山へ抜ける堀越トンネルがまだ全て完成をする前の堀越峠でのことである。
自然が与えてくださった一枚の滅多に観ることが出来ない絵をを覗き見をしてしまったような気がした。
二度目に雪月花を観たのは、それから10年後くらい後のことだった。
早朝3時くらいに仕事の帰りに小金井公園の前を通り櫻が咲いているのを見つけ車を停めた。
早朝3時過ぎに天上に鎌のような月のが見えていたのだから下弦の月だったのだろうか。
しばらく観ていると急に月が隠れたと思ったら雪が降り出した。
車での自宅への帰り道、急に戻らなければならないような気がし急いで先ほどまでいた小金井公園に戻った。
朧月が顔を覗かせ妖しく輝き、雪をまとった櫻花に霞をかけたような気配が覆っていた。