茅に想う自分の人生]


道端に「*メリケンカルカヤ」を見つけた。
最近では珍しくないのだが「メリケン刈茅」と書く。
「*刈り茅」とは言うものの刈るというよりは抜かれるのだが。
枯れた「刈茅」を眺めながらの師走の一時、忙しさを忘れ、茅葺に想いを馳せていた。


メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus L.)
メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus L.) posted by (C)ドラ猫

米原産とされる「*メリケンカルカヤ」である。
和名の由来はアメリカ(アメリケン)から入って来たカルカヤからとする。
自宅周辺でもかなり見かけられ 乾燥した荒れ地から道端のコンクリートの隙間まで生育がみられ湿地に侵入をすると湿地本来の植生が駆逐されるとまで言われているほど強かな植物なようです。


            メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus L.)
メリケンカルカヤ(Andropogon virginicus L.) posted by (C)ドラ猫

Wikipediaには、「茅葺(かやぶき)とは、カヤ(ススキやチガヤなど)を材料にして葺く家屋の屋根の構造の一つ」としてあるのだが茅(カヤ)を薄、茅萱と書いてある事には多少の疑問を感じる。
確かにチガヤは、「*茅」もしくは茅萱と書き、ススキも「*茅葺」の材料として使われるのだが、「*メカルカヤ」(雌刈茅)が本来の茅葺の材料のような気がする。
チガヤは、小さく50cm未満のものが多く茅場での風景を見ていると皆人間の背丈程はある。

「*茅」言う文字は、地名にも多く残っており、東京だと「*茅場町」湘南の「*茅ヶ崎」、信州では「*茅野」等があるのだが皆、川や水辺が近い地名だという事がわかる。

よく似た葦も屋根材として「*茅葺」民家の葺き替えに現在でも使われている。
もっとも葦簀(よしず)ともいうように、スダレとしての利用も多いようだ。


   茅葺
茅葺 posted by (C)ドラ猫

近頃話題の(笑京都の美山町ですが、この道の入り口に古くからのお店があり、「*鮎釣り」でよく立ち寄ったものでした。

子供達がまだ小さい頃(今から20数年前)には、美山町は過疎に悩み子供連れ(確か2人以上)移住者には補助金を出す制度を設けていたくらいでした。
真剣に京都市内から引越しを考えた時期もあった。

丁度、「*芦生」の京大演習林の100年契約が切れる前の話しでダム計画が持ち上がった時期でしたね。
元々は「*ヤマメ」(山女)の川である「*美山川」にアマゴ(雨魚)を放流をしだしてから美山川で山女は殆ど釣れなくなってしまった。
今でも、山女は生き残っているのだろうか?

美山町15
美山町15 posted by (C)escassy

記憶は定かでは無いのだが、一軒の茅葺の屋根に「*イチハツ」が植えられていたような気がする。

              イチハツ(Iris tectorum Maxim.)
イチハツ(Iris tectorum Maxim.) posted by (C)ドラ猫

Iris tectorum Maxim.  イチハツ 標準 
Andropogon virginicus L.  メリケンカルカヤ 標準 
Themeda triandra var. japonica メガルカヤ
Imperata cylindrica var. Koenjgii チガヤ
Miscanthus sinensis   ススキ
Phragmites australis (Cav.) Trin. ex Steud  ヨシ

米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList),http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2008年12月27日).